近藤 護 建築家

フランスワーキングホリデー

フランスに来た動機 Pourquoi je suis venu en France ?

フランスラング、ワーキングホリデー、日本人留学生、近藤 護、フランス国立図書館僕の経歴ですが、高校卒業後、建築専門学校でまず2年間みっちり建築の勉強をしました。その後、総合建設会社の設計部で7年間勤務していましたが、渡仏を機に退職しました。一度、22歳の頃にフランスに来ようとしたことがあったのですが、当時、すでに建築の仕事を始めていたのと、26歳で1級建築士の資格を取得してからフランスに来ようと思い直しいったん延期、そして今回のフランスワーキングホリデービザでのフランス滞在に至りました。僕がフランスに惹かれた理由ですが、フランスには美しいものが沢山あります。たとえば、建築物、公園、豊かな緑など、建築家の自分にとっていずれも大切なものばかりです。

フランスの現代建築では、ガラスを駆使した作品を得意とするフランス人建築家Jean Nouvelジャン・ヌーヴェルが手がけたパリのアラブ世界研究所とカルティエ現代美術財団の建築が好きです。建築分野以外にも、フランス的な音楽、アート、映画にも惹かれていました。Cedric Klapischセドリック・クラピッシュ監督の映画作品が大好きですが、パリに来るまでは有名な映画監督だとは知りませんでした。またフランス人の生き方、生活の中で自然に花を飾るなどフランス人の普段の暮らしを肌で感じてみたいと思いました。。

フランスラングを選んだ理由 Pourquoi j’ai choisi France Langue ?

フランスラングはインターネットで調べて見つけました。フランスラングのホームページを見て安心できる語学学校だと印象を受けました。クラス定員、日本人の割合もちょうど良かったこと、授業料が手頃だったことに加えて、日本人スタッフが常勤していることで何かと相談できると思い選択しました。フランスに来てすぐにでもフランス語レッスンを始めたかったのと、学校の様子もどんな感じか見てみたかったので、まず週単位集中コースを2週間選択しました。実際、フランスラングでレッスンを受けてみて良かったので、その後、長期コースの3ヶ月集中コースに申し込みました。

フランス語コース Cours de français

渡仏前に日本で1年間、語学学校に通いながらフランス語の基礎を勉強してきました。3ヶ月集中コースではシンチア先生が担任でした。とても教育熱心な先生で、まず最初に「昨日は何をしましたか?」という簡単な質問から授業が始まり、受講生ひとりひとりに順番に話させてくれるところがいいなと思いました。生徒が話し始めると先生がミスをチェックしてはきちんと直してくれるので、日常会話をしながら文法が覚えられました。

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Autodicté と呼ばれるフランス語の書き取りのテストが週1回あるのですが、まず毎週末にフランス語の文章を丸暗記して来るという宿題が出ます。週明けのテストでは、その覚えた文章をきちんとフランス語の綴りやアクセントを間違わないように正確に書いて、その後、その文章をモデルにして自分自身のシチュエーションに置き換えて新たな文章を作成するというエクササイズです。この演習のおかげで、フランス語のボキャブラリー、文法、用法などが頭にしっかり滲み込み、身につきました。テストの例題の文章の中にはクラスメートの名前や職業などが時々出てきて、お決まりの模範エクササイズとは違って、いかにもシンチア先生の手作りのテストで彼女の温かい心遣いが感じられてとてもうれしく、毎週のテストが待ち遠しいほどでした。

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シンチア先生は性格が良くて授業以外でも何か困ったことがあれば親身になってよく相談にのってくれました。フランス語の読み書き、文法、聞き取りもそうですが、特に話すことが一番上達しました。これもシンチア先生が受講生ひとりひとりに発言する機会をきちんと与えてくれたおかげです。「恥ずかしがらずに発言すること、わからなくても途中でやめずに最後まで自分の知っている単語だけでいいから話しなさい」と言われ、それをシンチア先生が丁寧に直してくれて正しい文章を何度も繰り返し話させるのでしっかり頭の中に残ります。フランス語を教えながらすぐに使わせるシンチア先生のレッスン方法がとても良かったです。学校に通うのが楽しくなる明るいクラスで、毎日、笑い溢れる授業でした。コース最終日には自分たちの国の食べ物を各自持ち寄って、僕も含めて4名の受講生の誕生月だったので誕生日パーティーを開いてくれました。本当に良い思い出いっぱいのクラスです。

パリでの滞在費とアルバイトBudget et mon travail à Paris

フランスラング、ワーキングホリデー、フランス語コース、日本人留学生、近藤 護、オペラ界隈にある「国虎」という老舗のうどん屋さんでアルバイト中パリで1年間の滞在ですが、フランスワーキングホリデーでアルバイト収入があることを前提に200万円、滞在費として準備して来ました。最初の2ヶ月間はパリ郊外でホームステイをしていました。現在、パリの無料情報紙OVNIの不動産広告で見つけた家具付きロフトステュディオで一人暮らしですが、パリ中心街の2区にあり、どこへ行くにも大変便利です。20平米の小さな住まいなのですが、天井が3m50と高いのでもっと広い感じがします。

大家さんが自転車を貸してくれたので、パリ中、自転車で走り回って、アルバイトへ行くにももっぱら自転車通勤です。現在、オペラ界隈にある「国虎」という老舗のうどん屋さんでアルバイト中ですが、ここは友人がすでに仕事をしていてその紹介で始めました。週5日勤務でサービス、食器洗いをしています。フランス人のお客さんも多く、日本語とフランス語両方を話す機会があるのがうれしいです。フランス人のお客さんを観察していると、熱いのが苦手なフランス人が多く、冷めるまで待ってから食べ始めるので麺が伸びてしまっていたり、中には水を入れて冷ますフランス人までいてびっくりしたこともあります。笑顔の多いフランス人の常連客が多く、日本と違って皆さん時間をかけて会話を楽しみながらゆっくり食べる人が多いですね。週に1度はうどん麺作りも手伝っていますが、僕はうどん種を長く伸ばす作業を担当しています。お店の設計図の図面作りの手伝いをしたこともありますし、楽しいアルバイトで気に入っています。

フランスラング、ワーキングホリデー、フランス語コース、日本人留学生、近藤 護、オペラ界隈にある「国虎」という老舗のうどん屋さんでアルバイト中家賃が月550ユーロに電気代や携帯電話料金を加えると毎月合計800ユーロかかるので、月950ユーロのアルバイト料が家計の支えとなっています。自炊しているので、材料を買って来て自分で作る分には食費はそうかかりません。バスチーユやイタリー広場の朝市に新鮮な野菜や果物を定期的に買い出しに行きます。朝市独特の雰囲気も好きですし、買い物しながらお店の人と話すのでフランス語会話の勉強にもなります。パリで料理人の友人が増えたので、彼らにレシピを教えてもらいながら自分でいろいろ作るようになりました。安くて美味しい赤ピーマン、ズッキーニ、トマト、玉葱にベーコンを加えたパスタにリゾット、サラダ、これもやはり友人から教わったほうれん草ペーストやココナッツミルク入りのタイ風グリーンカレー、ベルヴィル中華街で皮を買って来てベトナム風生春巻きを作ることもあるんですよ。

パリで好きな場所 Mes lieux préférés à Paris

パリでお気に入りの場所は、僕の家です(笑)!自宅の小さなベランダがウッドデッキになっていてテーブルと椅子を置いているのですが、目の前には大きな樹木があり、青空と緑広がるとても心地よい空間です。そこで友人たちと夕食をしたり、一人でコーヒーを飲みながらゆっくりと読書をしたり、フランス語の勉強をしたり。日本でこうしたゆったりとした時間を過ごす機会がほとんどなかったので、今のこの貴重な時間を大切にしています。

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それ以外に、今、僕がパリで好きな場所はLa passerelle Simone-de-Beauvoirシモン・ド・ボーヴォワール歩道橋です。日本にいる頃、建築雑誌で見たことがあったのですがカーブが美しく優しい感じがして、パリで実物を見てからはいっそうファンになり、セーヌ河に架かる数ある橋の中でも一番好きな橋です。左岸側にはフランソワ・ミッテランフランス国立図書館、セーヌ河をはさんで右岸側には緑溢れる公園。夜にはイルミネーションがすっきりと美しく、まったく新しいパリの顔です。周辺の建物の夜の照明も上から地面に丸いスポットが当てられていたりと非常にユニークです。

フランスラング、ワーキングホリデー、フランス語コース、日本人留学生、近藤 護、パリのメトロ ヴィクトール・ユーゴー駅古いパリの街並にも興味があり将来に残すべき大切なものだとは思いますが、僕は建築家として創ることに携わっているのでパリでは常に新しいもの探しています。外観は古い建物の中に、モダンな空間が内部に隠されていたりするといかにもフランスらしく感動します。伝統建築でただ古いだけではなく新しい建築要素との融合性のある空間が好きです。たとえばパリの美術館ではオランジュリー美術館、オルセー美術館の空間がキレイですね。

またパリの地下鉄の駅のホームもそれぞれに個性的でまったくデザインが違い、各駅ゆかりの著名人たちの説明があったり、各駅周辺の歴史が表現されていたりと何らかの意味があり面白いです。たとえば、ソルボンヌ大学近くのCluny La Sorbonneクリュニー・ラ・ソルボンヌ駅のホームの壁面から丸みを帯びた天井まで、フランス文学界を代表する文豪たちのサインがさまざまな色彩のタイルのモザイクで埋め尽くされていたり。またサンジェルマン・デ・プレ駅のホームには作家たちの本や資料がショーウインドーにセンスよく展示されていたりと、形で情報を発信しているところがいいですね。パリのメトロの駅巡りをしながらパリの歴史や芸術に親しむことができるなんて素晴らしいアイデアだと思います。日本では勉強するのは学校だけですが、フランスでは歴史や文化が、建築物や家庭などさまざまな場所で表現されていてそれ自体がデザイン化している。フランスは実に文化を大切にしている国だとつくづく感じ入ります。

フランスラング、ワーキングホリデー、フランス語コース、日本人留学生、近藤 護、パリのメトロ ヴィクトール・ユーゴー駅フランス以外には、オランダ、イタリアへ行きました。アルバイトで貯金をしてスペインへも行きたいと思っています。フランスは地理的に西ヨーロッパの中心に位置しているのでヨーロッパ諸国へ行きやすい国ですね。たとえば過去のフランス美術史をたどった時に、イタリアルネッサンスの影響を受け、それと同時にフランドル地方の北方絵画の良さも理解しながら、それでいてどちらに流されることなく双方の優れた要素を取り入れ、フランス独自の古典主義様式を確立していった経緯を見るとフランスの地理的条件が美術にも影響を及ぼしていることがわかります。フランス国王フランソワ1世に招聘されてフランスに来たイタリアルネッサンスの天才的芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチは、フランスでその生涯を終えています。

ワーキングホリデー後の将来の計画 Mes projets

日本では朝から夜中までの仕事人生でしたが、フランスでは決められた時間で仕事を終えた後は、自分自身の時間、確固たる自分の生活スタイルというものを大切にしています。同年代の仕事をしているフランス人の友人から聞いた話ですが、フランス人は仕事に励むことはもちろんですが、それ以上に休むことも大切にしていて自分の時間を確保してそのために短期集中型で仕事に取り組む。フランス人はお金のあるなしにかかわらず本当の意味での豊かでゆとりのある暮らし方が自然と身についているように思います。今、フランスで暮らしてみて一番良かったなと思えることは、そうしたフランス人のゆったりとした暮らし方を肌で実感できることです。将来はパリで建築の仕事ができればいいなと思っていますが、今後どこで仕事をするにせよ自分の時間を大切にしながら、仕事は仕事、プライベートはプライベートとメリハリをつけ集中して仕事をしていきたいと思っています。